top of page

離婚協議書とは?メリット・デメリット、作成手順と内容、効果的でスピーディーな作成のメソッドまで解説

更新日:2023年1月8日


1 離婚協議書とは


離婚協議書とは、夫婦が話し合いにより離婚(協議離婚)をする際、離婚する旨の合意のほか、親権、養育費、財産分与などの条件について合意した内容を明記した契約書です。


離婚協議書を作成するのは、離婚に際して、双方で合意した内容を確認するためのものであると同時に、証拠として保存する目的があります。


ですので、相手の方が離婚協議書に記載された約束を守らない場合には、裁判所の手続きにおいて、離婚時の合意内容を証明するための証拠として離婚協議書を活用することができます。


2 離婚協議書作成のメリット・デメリット


一般論として、離婚協議書は、協議離婚する際に必ず作成すべき契約書です。ここでは、離婚協議書を作成する際のメリット、デメリット(注意点)についてご紹介します。


2.1 離婚協議書を作成するメリット


・トラブル予防


やっとのことで離婚することができ、細かな条件を含め合意したとしても、それを口約束だけで終わらせてしまった場合、


「養育費の支払いは、18歳までというのが合意内容だったはずだ!」

「そもそも原因はあなたなんだから、やっぱりこんな条件はいや!」 「やっぱり離婚には応じられない」


など、言った言わないや思い違いが原因で、離婚後にトラブルになる可能性があります。 しかし、離婚協議書を作成し合意内容を明確に文書に残しておけば、こうしたトラブルを予防することができます。


・証拠として価値が高い


文書は作ってなくても、録音やチャットに残してあるから大丈夫かというと、そうでもなく、次のような点で問題が残る可能性があります。

・内容が整理されておらず、合意事項が判然としない ・常に証拠として利用できるとは限らない


これに対して、文書として離婚協議書を作成しておけば、

・協議した内容を、項目ごとに整理して合意事項を明確にすることができる ・もし約束が守られなかったとしても、裁判所の手続きで証拠として利用でき、合意の成立に争いが生じる可能性が低い

というメリットがあります。


2.2 離婚協議書を作成するデメリット


・経済的なコストがかかる


離婚協議書に契約書としての効力を持たせるためには、文言や形式を整える必要があります。これには、法律文書の作成に関する専門的な知識を要します。


最近はネットで離婚協議書のひな形を無料で手に入れることが可能であり、夫婦で協議ができるようであれば、自分たちだけで作成していくこともできます。


ただし、細かい文言や形式は、権利義務関係に関わるため、自分たちだけで作成していると法律的に正しい内容であるかどうか不安を感じることもあるでしょう。


そうしたときに、離婚協議書の作成を弁護士に依頼するとした場合、費用の相場は法律事務所などにより異なりますが、5万〜10万円程度かかる場合が多いようです(相手との交渉代理費用は含みません)。


・時間的・精神的なコストがかかる デメリットというより注意点といえますが、当事者だけでの話し合いの中で感情的な対立が深まると、合意を形成すること自体が困難になる可能性があります。

合意した内容をまとめるだけなら、箇条書きでも簡単な言葉でわかりやすくまとめることはできると思うかもしれません。


しかし、話をまとめるには相当な時間的コストと精神的コストがかかるだけでなく、対立がエスカレートすれば協議自体が進まなくなる可能性も考えられます。


3 離婚協議書の作成手順


以上のようなメリットデメリットを理解したうえで、では、離婚協議書はどのように作成するのでしょうか。


ここでは、離婚協議書を作成するまでの流れ・手順を解説していきます。


3.1 ピッタリそうな離婚協議書のひな形をリサーチ


離婚協議書を一から自分で作るのは至難の業ですので、まずはネットで検索してみてひな形を探します。


ひな形とは、いわばサンプルのようなもので、法律的な文言や文章の組み立て方などが一応の骨組みとして出来上がっている状態のものをいいます。


法律事務所などのコラム記事からダウンロードできるようなひな形がありますので、ご自身で検索してみてください。


また、未成年のお子さんがいる場合で、親権・養育費・面会交流を取り決めたい方のために、法務省が合意書のひな形と記入例も提供しているので、こちらも参考になると思います。



様々なひな形があるなかで、ご自身のケースに適したものをピックアップするようにしましょう。


3.2 ひな形に記載された条件についてLINEなどで話し合う


ひな形が見つかったら、次にそこに記載されている養育費の月額や財産分与の方法などについて、具体的に話し合いを進めます。


口頭でのやりとりでは、後日、言った言わないのトラブルになることもありますので、LINEやメールなどでやり取りをするといいでしょう。


3.3 わからないことは、ネット上の無料法律相談などを活用して解消


不安な点や不明な点などは、都度、メモとして書き留めておき、ネット上や役所、法テラスの無料法律相談を活用して解消するようにしましょう。


ひな形の項目に沿ってどの項目に関する疑問や問題点なのかが分かるようにしておくと、相談がスムーズに進みます。


3.4 抜け漏れがないか弁護士など専門家に有料でチェックしてもらう


ひな形は汎用性が高いため誰にとっても使いやすいというメリットがある一方、、個別のケースには対応していないため、内容に抜け漏れが生じることがあります。


そのような抜け漏れにすら気づかず、そのまま署名して合意してしまい、後で取り返しがつかない事態になってしまうのは避けなければなりません。


そのため、弁護士などの専門家に離婚協議書の内容をチェックしてもらったり、アドバイスを得るための費用を惜しまないことは、離婚協議書を作成するうえで、かなり大きなポイントとなります。


3.5 2通作成して署名し(電子署名も含む)、お互いに保管


離婚協議書は「契約書」ですので、お互いに持ち合うことができるよう同じものを2通作成します。そして、2通ともに夫婦がそれぞれ署名し、保管します。


また、紙ではなくデジタルで合意を行うこともできます。民間企業が提供する電子契約サービスを利用するのもよいでしょう(無料で利用できるサービスもあります)。


4 離婚協議書で取り決める内容・項目


離婚協議書では、主に次の項目について、内容を取り決めていきます。


4.1 離婚の合意


離婚協議書には、まずはじめに、離婚自体に双方が合意したことを確認する項目を設けることが一般的です。


また、それに付随して、離婚時の手続き面の取り決めとして、離婚届を提出する期限や提出者を決めておくといいでしょう。


提出者は、夫婦のどちらがなっても大丈夫ですが、戸籍変更の必要がある側で担う方が手続き上はスムーズな場合が多いかと思います。


4.2 子供がいる場合:親権者、養育費、面会交流


子どもがいる場合の離婚は、親権者、養育費、面会交流の取り決めがコアになる項目です。


順番的には、①親権者を決めた上で、②子どものために支払うべき養育費の月額や支払期間等に関する事項、そして③子どもが離れて暮らす親と交流するための内容や頻度等に関する事項を決めていく流れになります。


養育費の算定に関しては、当事者間で金額について合意できない場合には、最高裁判所が公表している「養育費算定表」を目安として定めることが実務上の運用ですので、参考にするといいでしょう。


お互いの年収から養育費を算定しますので、給与所得者は源泉徴収票、自営業者は確定申告書などの収入を証明できる資料を準備しておきましょう。


子どもの人数、年齢によって使用する算定表が異なりますので注意してください。



算定表の使い方や細かいポイントは、こちらのPDFファイルにまとめられています。



なお、子どもが突如重い病気になり高額の医療費が生じた場合や、高校・大学への進学に際して生じる入学金等、協議または合意の時点で不確定である事柄について費用が発生する場合も想定し、特別の費用に関する項目(負担割合などに関する取り決め)を入れることも、検討すべきでしょう。


4.3 財産分与


財産分与に関しては、対象となりそうな資産と負債をリストアップした後、婚姻前からの夫婦各自の財産等(特有財産)と、婚姻後に取得した財産などのすみ分け・整理をします。

財産分与の対象となりうる資産・負債の代表例は、次の通りです。

​資産

負債

土地、家などの不動産

住宅ローン

自動車

自動車ローン

現金、預貯金

日々の買い物などに使ったクレジットの残債

金融商品(株式、有価証券、保険など)

教育費のための借入れ

4.4 年金分割


年金分割とは、「離婚した場合に、お二人の婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができる制度」です。



会社員の方であれば厚生年金保険に加入していますが、この厚生年金も婚姻期間中であれば夫婦の共有財産として扱われ財産分与の対象となることから、厚生年金の保険料納付記録をもとに分割できるようにしよう、という制度です。


年金分割には、合意分割と3号分割の2種類があります。


合意分割は、夫婦が2人で請求をすることにより行われます。合意内容に基づく割合での分割が可能です。基本的に、離婚協議書で行う場合には合意分割になります。


他方で、3号分割は、夫婦の片方が会社員で、もう片方が専業主婦(主夫)あるいはパート勤務といった場合に、後者が前者に請求することができるケースです。また、合意分割ができない場合の手立てとしても利用される場合があります。


年金分割を希望する場合は、「年金分割のための情報通知書」が必要になりますので、ご自身の住所地を管轄する年金事務所に請求し、あらかじめ取得しておきましょう。


必要な手続き等は、こちらのサイトが参考になります。



合意分割を請求する場合には、按分割合を定めた特別な書類が必要となり、公正証書を作成することが一般的です(公正証書については、後で詳しく説明します。)。


4.5 慰謝料


離婚の際の慰謝料は、相手の行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償金になります。離婚原因として不貞行為、DVなど、相手に責任があると評価される場合に、慰謝料の請求が認められる場合があります。


ただ、夫婦だけの協議の場において、事実関係に争いがない場合を除いて、慰謝料を項目として挙げると感情的な対立を煽ることになり、他の離婚条件の取り決めが進まなくなる可能性もありますので、慎重に検討する必要があるでしょう。


4.6 その他


その他には、婚姻費用に関する項目があります。婚姻費用に関しても、上記でご紹介した裁判所が公表している算定表を相場として決めていくとよいでしょう。


4.7 清算条項


清算条項は、合意後のトラブルを防ぐために、離婚協議書で合意した内容以外には、お互いに請求しあわないと約束するものです。


すべての離婚条件に漏れなく合意できた場合であれば、確実に清算条項を盛り込むことをおすすめしますが、例えば、財産分与や慰謝料について、話し合いが長期化しそうだからと、一旦、離婚協議書には盛り込まず、別途話し合うことで合意しているような場合など、清算条項を盛り込んではいけないケースもありますので注意が必要です。


5 Teuchi(テウチ)for 離婚なら離婚協議書も公正証書もスマホで作成可能


最近は、スマホなどのデジタルデバイスの普及やデジタル社会の進展により、夫婦間の離婚協議をLINEやメールなどのオンラインで行うケースが増えています。


離婚を取り扱うサービスのオンライン化も顕著で、弁護士への法律相談がネットで行えたり、一部の家庭裁判所では離婚調停がウェブ会議形式によるオンラインで実施されるようにもなってきています。


5.1 ADR と ODR


司法サービスのなかでも、特に目覚ましい勢いでオンライン化が実現されている分野が、ADR(Alternative Dispute Resolution)と呼ばれる民間調停機関が実施する紛争解決サービスです。


これまでのADRサービスは、家庭裁判所の調停と同様に「対面」によるサービスしかありませんでしたが、コロナ禍以降、オンライン化が急速に進展し、チャットやウェブ会議によるオンラインADRサービスを提供する民間調停機関が一気に増加しました。


少しややこしい話ではありますが、現在、政府は、対面主体のADRサービスと区別するために、オンラインADRサービスのことをODR(Online Dispute Resolution)と呼び、その社会実装に向けた議論を進めています。


医療においては遠隔診療が近時浸透しつつありますが、同じような変革が司法領域においてもジワジワと始まっているのです。


5.2 新しいオンライン離婚手続き Teuchi for 離婚


Teuchi for 離婚は、離婚に特化したスマホ完結のODRサービスで、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)に基づく法務大臣認証を取得しています。



独自開発の離婚条件マッチングシステムやチャットツールなどの先端テクノロジーを活用し、相手と顔を合わせる必要なく、最短2週間でスピーディーに離婚条件を取り決めたうえで、離婚協議書または公正証書まで作成することができる、まったく新しいオンライン離婚手続きです。


5.3 Teuchi for 離婚における離婚協議書作成の流れ


Teuchi for 離婚の手続きでは、お申込みから離婚条件のマッチング(離婚条件の調整)、そして離婚協議書または公正証書の作成まで、ワンストップでスマホ上で完結することができます。


お申込みはカンタンで、ご自身のアカウント作成後、ご家族の情報を入力し、取り決めたい離婚条件などを選択して送信するだけで完了。


お申込みが受理されれば、Teuchi for 離婚から相手の方に参加要請のための通知をし、参加が確定すると専用のチャットルームが開設され手続きがスタートします。


手続きは、ケースマネジャーや調停人の進行のもと、双方の希望条件を選択式でマッチングする方法によって進められます。


全ての条件が合致すれば、離婚協議書の形にまとめられ、システム上で最終合意の手続きを実施して終了します。


5.4 Teuchi for 離婚で公正証書を作成する場合の流れ


Teuchi for 離婚 では、作成した離婚協議書をもとに、公正証書作成を代行するサービスも提供しています。


離婚協議書を作成しても、相手が約束した金銭を支払わない場合、相手から強制的に回収するためには、裁判を提起して勝訴判決などを得てから、さらに強制執行という手続きをもう一度裁判所に申し立てる必要があり、多くの時間と費用がかかります。


しかし、公文書である公正証書を作成しておけば、約束が守られなかった時に、すぐに強制執行手続きを裁判所に申し立てて回収をはかることができるのです。


つまり、「執行力」の有無が、離婚協議書と公正証書の最大の違いになります。


Teuchi for 離婚で公正証書を作成するには、まず手続きのなかで公正証書作成の意思確認をし、双方が公正証書作成に同意すれば、離婚協議書に「強制執行認諾文言」という項目を追加したうえで「離婚給付等契約公正証書」として作成し直し、双方に確認してもらいます。


その後、Teuchiと公証役場とで細かな文言を調整してから、システム上で最終合意します。


そして、双方に委任状等の必要書類を準備していただき、Teuchi for 離婚のスタッフが公証役場での手続きを全て代行し、後日、ご自宅に郵送するという流れになります。


ですから、双方とも公証役場に出向く必要はまったくありません。


さらに、最近では、公正証書作成費用を全額助成する自治体がかなり増えてきておりますので、お住まいの自治体のウェブサイトなどでご確認いただくとよろしいかと思います。


5.5 Teuchi for 離婚を利用するメリット


Teuchi for 離婚を利用すると、次のようなメリットがあります。


①最短2週間でスピーディーに離婚条件を取り決めることができる

②オンライン上の手続きなので相手と顔を合わせる必要がない

③離婚条件のすり合わせは希望条件を選択して入力するだけ

④リーズナブルな料金で離婚協議書または公正証書を作成可能

⑤別居などでもしていても遠隔のまま手続きを進めることができる

⑥仕事や子育てで忙しくても空き時間で進めることができる

⑦弁護士資格を持った第三者が関与するので安心

⑧双方とも公証役場に出向くことなく公正証書作成が可能


特に、未成年の子どもがいる場合は、基本プラン5万円という非常にリーズナブルなコストで、親権、養育費、面会交流について取り決めることができます。


さらに、最近では、公正証書作成費用と同様に、Teuchi for 離婚のようなODRサービスに対して費用助成する自治体も増えてきており、実質無料で Teuchi for 離婚 をご利用いただけるエリアもありますので、お住まいの自治体のウェブサイトなどで確認してみてください。


なお、Teuchi for 離婚 は、2週間という短期間で離婚条件を取り決める簡易な手続きになりますので、親権に争いがある場合や、慰謝料の支払いについて相手が同意していない場合など、利用をおすすめできないケースもありますので、詳しくは、Teuchi for 離婚のLINE公式アカウントから相談(無料)してみてください。



6 まとめ


離婚協議書は、協議離婚の際に必ず作成すべき契約書であることはご理解いただけたと思います。


離婚協議書を作成する際には、メリット・デメリットを考慮したうえで、専門家を通じて作成するのか、Teuchi for 離婚などの民間調停機関を利用して作成するのが安心でしょう。


特に、早く、効率的に、相手と顔を合わせることなく離婚条件を取り決め、スマートに離婚協議書や公正証書を作成したいという方は、Teuchi for 離婚 の活用はオススメです。


夫婦だけで話し合えるのかどうか、予算やいつまでに離婚したいのか、といった状況を整理したうえで、どのような手続きで離婚協議書を作成するのがベターなのかを判断するために、4つの質問に答えるだけで最適な離婚手続きをご案内する「無料診断ツール」を提供しています。


スマホで1分で診断結果を取得できますので、ぜひ、ご活用ください。



閲覧数:324回

最新記事

すべて表示
bottom of page